【転属命令を受領しちゃったのち】 




「因縁、ね……そういえば、君は運命を信じる人だったかい?」
「始まりから全てが決められているなどと思うことはないさ。けれど、そうだな、結果としてそうあるべき形が決まっているというのなら、それを運命と呼ぶことに異存はない」
「今回のように?」
「あの場所で出逢い、すぐに再会まで叶った相手を、追い続けても良いと後押しされたわけだからな。なにか不可思議な繋がりがあるかもしれないと信じたくもなるだろう」
「出会いが偶然か必然かという問題もあるけれどね」
「お前と共にあれを見たことが、か?」
「確かに、君でなければ今回のような事態にはならなかっだろうね。性能も構造も未知の機体に嬉々として挑んでいくようなパイロットは君くらいだ」
「……確かに、否定はできないな」
「君があれを追い続けようとするから、神様が君にチャンスをくれようとしているのかもしれないよ」
「運命の女神、か」
「そんなところかな」
「ならば女神を呼び込んだのはお前だろうな、カタギリ」
「え?」
「例え出逢いが必然だったとしても、そこにお前がいなければ私も馬鹿正直にガンダムを追ったりはしなかったということさ、ビリー・カタギリ技術顧問」
「それは至極光栄だね、グラハム・エーカー中尉?」